　「ジャングルジム」って言葉は、なんだかその言葉自体にワクワクさせる要素があるのではないか。

　そう思うのは一つ大人になった証拠なのかもしれないと、随分と久しぶりにジャングルジムを見て思うのは僕であって、

　「わー！ジャングルジム懐かしいなー！」

　と言ったのは彼女だった。

　「これって何なんだろうな？ただ登るだけで何が楽しいんだろう……。まあ、僕も子供の時は散々遊んだけどさ」

　「登るだけっていうのがいいんじゃないかしら？とても単純でさ」

　「考えてみれば、公園の遊具なんて単純なものばかりだよな。一つのおもちゃに対して基本的には一つの楽しみしかない」

　「そうかしら？それは人によるんじゃない？それに単純であるからこそ遊ぶ人が感じることや、もしかしたら派生した遊び方、それらが委ねられていると思うの」

　「自分で考えろってこと？」

　「うーん……、っていうか、自由に使ってね、って感じかな」

　僕が子供だった時、ジャングルジムでどのようにして遊んだだろうか。これに登っていた時、僕はどのように感じていただろうか。それは今では思い出せそうにないけれど、体に染み付いている思い出は今でも僕を懐かしいと感じさせるのだ。

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