みつき詩集
三月兎@明神みつき
季節が変わる頃に
こどものころ、季節が変わる瞬間。その瞬間を感じていた。
春、夏、秋、冬。ただ暦やそういったきまりでなく、「ああ、今、季節が変わった」と自分が、自分の世界で感じた。
それは朝、目覚めたとき。
それは空気のにおいを嗅いだとき。
それは景色を見たとき。
毎年、季節が移り変わるとき、それを不思議と、なにかのきっかけで感じた。
あれはどんな感覚だったろう。言葉では表現できない。
瞬間、季節が変わったと。全身がとかでなく、"そう感じた"としか説明できない。
気がつけば、その感覚は年々鈍磨していた。
季節が変わった感じが、今では気づけば変わっていたくらいに。
この先、鈍磨した感覚は、いつしか失われていくのだろうか。
季節が変わる頃、それをおもう私は、あとどれくらいいられるだろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます