探しもの

「……だめだ、見つからないよ」

 少年は何かを探しているようだった。

「以前の僕ならもっと簡単にできたのに。クソ、このままじゃ皆不幸だよ、どうしたらいいんだよ……あ。そうだ。この方法なら」

 少年は何か思いついたようだ。目を瞑り気を集中して……

「はあっ!」

 気を放った先には黒い道ができていた。だが。

「今の僕にはここを通ることはできない。けどあの子なら……」

 そして……




「よかった、ありがと」

 どうやら目的のものは見つかったようだ。


「でも僕達はうまくいったけどさ、世の中には見つけられず泣いてる人もいるんだよね。奪われたりしてね……もし誰かから何かを奪ったやつが目の前に現れたら……惨たらしく殺してやるよ」

 少年は鋭い目つきをして、黒い槍を振りかざしながら呟いた。

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