○小説十八史略(陳舜臣)

 たまにはマジメなのも。

 中国の歴史書18個をまとめた物を現代語訳した物、と言えばいいだろうか。

 殷の時代から始まって、元(チンギスハンで有名な国だ)の手前くらいまでの中国史である。


 まあ、面白い。現実にあった事だけに、リアルである。

 すぐに裏切る。すぐに反乱を起こす。残虐な方法もなんのその。それでも何かしらのルールに則って行動しているのが何ともすごい。

 細かい動きについては他の作品の方が当然詳しいとして、(例:秦の始皇帝の話=キングダムなど)大きな流れで歴史を俯瞰できるのはやはり良い。


 歴史というのは、連続しているものなのだ。唐突に戦争は起きたりしない。そこに至る経緯が必ずある。その因果関係がよく分かる。

 いや、正確に言おう。『よく分からない』。何せ民族がぐちゃぐちゃ、場合によってはモンゴル方面から、あるいは東南アジアから攻め込まれ、主体となる民族も入り乱れ。国は群雄割拠し10個20個当たり前。しかも内乱がよく起こる。こりゃまとまらん、と言う事だけはよく分かる。


 しかし読んでいる分には、なるほどと納得できる。それは物語としての構成が上手いだとか、説明の順番、内容が適切なのだろうと思う。


 興味がなければ辛い所だが、読んだら読んだで自慢できると思うので是非一読して欲しい。


 三国志には手を付けて無いなぁ……横山光輝御大の奴は読んだけど。ジャーンジャーン。

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