第68話 日本伝統作戦

 その一、日本は地図で攻める。敵国の地図屋を攻略してから戦う。例えば、第二次大戦の時、中国とアメリカの地図屋を征圧して、その国で売っている地図から日本列島が消えた。

 もちろん、中国人やアメリカ人は、日本列島が描かれている地図を探しだして解決した。だが、数億人いた中国人やアメリカ人のうち、数百万人は確かに、日本列島が消えたと思ったらしい。あまり書きたくはないが、興ざめするだろうが、ネタバレをすると、地図屋を攻める作戦は、味方も楽しいし、敵国民も楽しいのだ。

  その二、日本は新聞配達から攻める。日本は戦争になると、敵国の新聞配達を狙う。そして、敵国の民家に届く新聞を取り換えてしまうのだ。標的の民家だけ、異なった新聞記事を読んで、びっくりして肝をつぶしてしまうだろう。


 そういう賢く格好良い作戦に憧れたぼくは、ひとつの独創的作戦を考えだした。それは、敵国の道路を整備してから攻める、である。自軍の土地はどうせ頑健に守ることになるに決まっている。戦争に勝つためには、自軍の土地の道路整備ではなく、敵国の道路整備をすることである。重要なのは、敵国に侵攻した時に、日本軍が快適に道路を走り、侵略すること火のごとく戦うためである。

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