三本目の在り処

 木を切っていると斧をうっかり泉に。

 すると泉から微笑みを浮かべた女神が左右の手に金銀の斧を持って現れた。


「あなたが落としたのは金の斧ですか?」

「違います」

「では、銀の斧ですか?」

「違います」

「なら、この普通の斧ですか?」

「斧なんて落としてません」

「そうですか」


 女神は泉に帰っていった。

 金銀の斧と言えば何もくれないだろう。

 でも、普通の斧だとも言えない。

 だって、女神の頭に刺さってるだもんなぁ。

 笑みが怖い。

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