パクリと飲み込み、咀嚼する

 画家の先生が近所の子を集めて授業をした。


「芸術とは大嘘だ。ありもせず、見た事もないものを作り出すという意味で芸術家は嘘つきなのだ。『人を楽しませる嘘つき』という事になるかな」


 そう語った先生の言葉に感心する子供達。

 そんな中、一人の子が言う。


「なるほど! 嘘つきは泥棒の始まりって言いますもんね」

「ほほほ。ワシが泥棒、という事かな?」


 微笑む先生に少年はニヤリと笑む。


「だって芸術は模倣に始まるんですよね?」

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