天道未空 〜テンドウミク〜
今日のレッスンルームはいつになく珍しい光景が広がっていた。
「随分とお子様が多いわね」
「お子様……そうですね。今日は小さい方が多いですね」
「何よ? 私は15歳よ。四捨五入したらハタチよ、ハ・タ・チ」
この男、マネージャーでプロ……何度も聞いた? あんたらの事情なんて知らないわよ。とにかく、この真矢咲という男はもう15歳だというのに背……ともう一ヶ所だけが小さいというだけで私も小さい子扱いしている。きっと今も私を『小さい子』の括りに入れたに違いない。
「全く、子供って嫌いなのよ」
「そう、でしたか」
「何よその、いつも小さい方たちと遊んでいるようにお見受けしますが。とでも言いたげな顔は。いつもは仕方なく遊んであげているだけなのよ」
結婚して子供を産むなら2人は欲しいところだけれど、でもやっぱり子供の相手は面倒くさいから嫌いだ。
「あ! みそらおね~さんだ」
「未空よ! はぁ、まったく。あんたたち、遊ぶのはレッスンが終わってからにしなさい」
マネージャーを見るとあの男は私を見てのどかな風景でも見ているかのようにほほ笑んでいた。腹が立つから後で頬を引っ張ってそのイケメン面をブサイクにしてやろう。
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