鈴乃木小鉄 〜スズノキコテツ〜
「鈴乃木、鈴乃木、何処にいらっしゃいますの?」
アイドル兼アイドルの執事である鈴乃木小鉄の忙しい朝はその声から始まる。
「どういたしました?」
小鉄の主人であるアイドル天王寺真に呼ばれ、真の所まで向かうと真は無駄に広いテーブルで1人つまらなさそうに朝食を食べていた。
「1人の朝食ほどつまらないものは無いわ。鈴乃木、私の隣に座って相手をしなさい」
「しかし、私はこれから行わなければならぬことが山ほど」
「お黙りなさい。貴方は私に口答えできない立場のはずよ」
真は今までこのようなわがままを言うことは無かったが、小鉄が真の長い髪をうっかり切り過ぎてしまってからは髪の恨みと言わんばかりに小鉄に対してわがままな娘になってしまっていた。
「かしこまりました」
あれからほんの少しだけ伸びた髪をいじってアピールしてくる真に負けた小鉄は仕方なく真の隣に座った。
「お嬢様、本日の撮影は私とご一緒との事。どうかお手柔らかにお願い致します」
「そうだったわね。天王寺真の名を汚す演技を見せたら許さなくてよ」
「はい、かしこまりました」
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