創作メモ
言枝謙樹
第1話 人を傷つける表現・法を犯す表現
他人を傷つけることのない表現など、ないと考えるようにしています。
私たちが住むこの世界には、歴史上の人物を絵に描いただけで怒り出す人が億単位でおりますし、抽象画を見れば意味が判からんと難癖をつけ、富士山を描けばくだらないものを描きやがって悪態をつく、もう、様々な人が生きています。
で、こんな程度なら『正常』の範囲内だったりしましてね。
いや、キチガイということにしてもいいですよ。
正常とか異常なんて、どのような基準を作るかによって変わってきますし。どっちでもいいです。『正常』でしかない人間なんて一人もいない、と言ってもいいし、全ての人間は『正常』である、としてもいいです。
あ、尖ったものがこっち向いてるのが耐えられない、絵とか写真でも、って人もいました。お薬飲んでましたけど。
結局は想像力、ですかね。
自分の表現は人を傷つけることなど一切ない、などと主張する方もいるでしょうが、奇妙奇天烈、不可解極まりない『人間』というものに対する想像力が足りないだけではないでしょうか。
そう言えば最近、岐阜県議会の本会議で『同性愛は異常』というような内容のヤジを飛ばした自民党の政治家がいましたが、地方議会、自主法(条例というやつですな)を制定するような場でこのような発言をしてしまうこと自体が『異常』だという認識を、この人は持っているのでしょうか。
キチガイは自分のキチガイっぷりに気づけない場合もあると聞きますが……いや、キチガイであるなしにかかわらず、自分自身のことを完璧に理解しきるなんて、不可能ですね。自分のDNA読み込めないし。
おっと、別にこの自民党の政治家が『キチガイ』だと言っているわけではありませんからね(笑)。なんかいろいろな役職を辞任したみたいだし(笑)、わりと気づいてるかも(笑)。
まぁでも、議会の権威ってなものを重んじ過ぎるのもなんですが……法律なんて時代によって変わってゆきますし、我が国の立法府(国会)ですと、法改正なんて年間100件とかですものね。
我が国ではありえないような法律も、他の国にはあったりして。逆もまた。
そんな情報も大量に流通してゆく世界になっています。
日々変化してゆく法律。表現者が自分の表現を遂行するときに、つい法を犯してしまう、なんてこともあるでしょう。
表現と真摯に向き合った結果そうなってしまったのなら、仕方がありません、逃げ隠れなどせず堂々と裁かれてください。
アーチストは預言者であってもよいと思います。
今は法律を犯していても、数十年後にはその行為が合法化している、なんてことを想像しつつ。
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