第4話 消える声

 MP3プレーヤーに憑いた彼女の霊と一緒に環状線をグルグルまわっていた。

「ねぇ、私が消えたら寂しい?」

 彼女が変なことを言い出した。電車の窓は一緒に通学していたときの景色。

「私……」

 彼女の声がどんどん小さくなり、ついに消えてしまった。

 あ、電池切れだ。充電しなくちゃ。


(続く)

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