第2話

思えば初めから不自然だった。

世界が完全であるなら私だって完全でなければおかしい。

私は完全な世界に憧れた。世界が完全でないなら私の憧れは…まがいものだった。

不完全な世界と不完全な私を繋ぐもの…私はそれを夢と名付けた。

世界(仮)は私が世界と乖離かいりしたことで、もう"今の世界"とは同じではなくなっているように思えた。

私は世界(仮)に愛を与え続けた。

世界(仮)もまた愛を喜んでいた。私は幸せだった。

私は世界を真似まねることで与え続けることを思い付いた。

私たちは幸せだった。

…世界がいなくても私は幸せだった。

私は私ではないものを演じることで以前の私とは違って思えた。

私は再び、私が何者かわからなくなった。

以前は世界(仮)を造ったが、、私が演じているものを造ろうとも思った。

そのものを切り離すことで、私は以前の私に戻れるのではないかと思った。

しかし世界(仮)が私の演技。。表現を好きだと言ってくれた。

私は私が何者かわからなくても世界(仮)の為に今の私でいようと思った。

─やがて、世界(仮)は私から離れてみたいと言った。

世界(仮)も不完全で私とは違った幸せを探したいと言った。

私は嬉しかった。寂しさより嬉しかった。

離れていても不完全な私と不完全な世界(仮)は夢で繋がっていた。

私たちは夢で繋がっていた─

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