第274話 二人の出会い【クエスト【夢閻神界編:奴隷の子供を村へ①】】

 馬車を穂樺に持ち上げてもらい中に入り、覆い被さっている布を取ると中から数人の子供達が何らかの薬品で眠らされている。魔法で起こす前に、穂樺を狼族の人型版に戻る為に、ロリーを起しに行く……。起こす事を拒絶する遮断魔法を使っているので、解除後…お姫様抱っこして地面に着地する。その事を確認した穂樺は、人型へと変身する。


 「ロリー眠っている所悪いのだが、起きてもらえぬか?」


 「ダイト様が私の目の前にいる……うれしぃ……なぁぁぁぁ」


 「あれ、私あのまま寝てました!」


 「お、お恥ずかしい限りです」


 「娘の様に可愛かったぞ」


 「娘ですか……これから精進します!」


 ダイト様も罪作りの方とは、解っていたが、やっぱり同類は、似るんだな……お爺ちゃんが、そうだったから似た者同士て事なんだろうな、ロリー様頑張ってと心から呟く穂樺だった。


 「そ、それよりこのままでも凄く嬉しいのですが……」と凄い小声で呟くロリーであったが、ダイトは、不思議とゆっくりと地面に立たせる。


 「あ、有難うございます」


 「可愛い娘のような子に、こんなに懐かれるとは、良い事じゃな」


 ダイトさんが、私の事……恋人だと思ってくれるには、私次第て事なんだろうなと思っていると、声が聞こえるこれは、念話だ? 声を聞くと穂樺の声が聞こえる。「ロリー様聞いて下さい!」「ダイト様の心を取るには、まず胃袋から掴む事が大切です!」私のお婆ちゃんが言うには、お爺ちゃんダイト様の様に、鈍感なうえに、かなりモテルですよ? ちなみに、ダイト様のファンクラブが各地のギルドのギルド譲が作ってると言われるくらいだったり、男の中の男て言う訳で、王者のダイトとまで呼ばれています。ちなみに、ロリー様も使ってるギルド内で、実は、ファンクラブあるの知ってました? それも、微笑みの女神様と言うなのファンクラブがあるですよ? 気になるだけど、なんでそんなに、穂樺詳しいの? それは、乙女のたしなみです。それは、冗談ですけど、この姿で、ダイト様に会いに行く事がたまにあった時に、あそこにいる冒険者の方々がお話している時に、冒険のお話して下さいて笑顔で言うと色んな人たちがお話をしてくれるです。ちなみに、返信しているので、年齢的には、幼女の姿でダイト様にあってます。その為か、周りの冒険者さんは、凄く優しくしてくれます。必ず男の方とか女性の方とか受付嬢とかの人たちに、ご飯をご馳走になったりしますね、それが今の所七不思議の一つですね……


 「ちなみに、どんな姿なの?」


 「見せましょうか?」


 「お願い!」


 「えい!」


 そこには、透き通った青い髪の少女が、立っている。何て言うか凄く可愛い事が良く解る。


 「ロリー様これが、いつものかっこですけど?」


 「穂樺……私の事お姉様て、呼んで?」


 「そういえば、皆さん同じこと言いますけど?」


 「別に、構いませんよ?」


 「ロリーお姉様!?」


 気づいた時には、思いっきり抱きしめていた……胸元からくるひぃですと声が聞こえて直ぐに、抱きしめるのを辞める。これは、納得のいくほどの破壊力だと内心思ってしまう。そんなやりとりをしていると?


 「ゴホン!」


 「そろそろ子供達を助けても良いか?」


 少し飽きれたような声で、私達に、話しかける。


 「す、すいません困らせてしまって……」


 「いや問題ないぞ?」


 「出会った姉妹を見ているようで、心が幸せになる気分が味わえたから問題ない」


 「ダイト様?」


 「なんじゃ、穂樺よ?」


 「私この子供達と似た年齢に、見た目が見えるので、落ち着くまでと、別れるまでの間この姿でいますね?」


 「そうか、その考えがあったか!」


 「あ、あのぅ~」


 「私も提案があるのですが、いいですか!」


 「どうした?」


 「顔が真っ赤じゃよ?」


 「この子達が落ち着く様に、私が穂樺の母親役で、ダイト様には、無礼かもしれませんが、夫の役をやって頂けませんか?」


 「別に良いが、こんな叔父さんで良いのか?」


 「全然問題ないです……」むしろ嬉しい限りですと心で呟く――


 「そうと決まれば、この檻と鎖を解いて、子供達を馬車の中に横にするぞ」


 「はい、貴男!」


 「はい、ぱぱ!」


 「何故か解らないが、凄く嬉しく聞こえる物だな家族とは……」


 そして、ゆっくりと子供達を馬車に寝かせていく、檻と鎖は、ダイト様が、錬金術で、鍋と食器類に、変化させてくれた事で、子供達の料理への問題は、解消される。子供達を見ていると、猫族・エルフ族・龍族・精霊族の種族が捕らわれていたようだ。この中で、珍しいのが、精霊族と龍族だったりする。この種族は、精霊の森に棲む種族と大火山の中にある地下を掘った場所に住むのが龍族の習わしだったりするのだが、どうやってこの子達を誘拐してきたのだろうと気になってしまう。そんな事を考えていると? ダイト様から一言が聞こえる。


 「これは、種族パーティーと種族会議中に、起きたと考えられるな?」


 「子供達は、パーティーで、盛り上がり」


 「大人達は、会議をしていたと考えられるのじゃが、あの商人一人でやったと言う事は、ないじゃろうが……」


 尋問する前に、頭に来て飛ばしてしまった事を後悔するが、仕方ないかと考える。


 「簡単な傷等は、私の方で、治してあります、痕が残るような事はないはずなので、問題ないです」


 「これは、凄い回復魔法じゃな?」


 「儂も一応回復が使えるが、ここまで凄いのは、初めて見たぞ」


 「私の唯一の得意分野が役に立てて良かったです」


 この娘も訳ありで、冒険者になったのだろうな、ここまでの回復魔法が使える者は、国で保護されるか、どこかの歴代の貴族以外考えられないが、この娘の笑顔が続くならば、何も見てないと心に誓い普通にいつものように、接して行こうと改めて思うダイトだった。


 ゆっくりと、子供達が目を覚ましていくと?


 「ここは、どこなの!」と次々と泣き出す声が聞こえてくる。


 すると、穂樺が近づいて、一言話す。


 「大丈夫君達は、私のママとパパが助けてくれたから、無事に家に帰れるから泣かないで――」と優しく語りかける。


 徐々に子供達の鳴き声もやみ穂樺を見つめて、私達より小さい子に、言われて元気がでましたと微笑む子供達だった。

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