Answer12
■結果説明■
成長しない人は、おおよそ傾向があります。ビジネス書などではよく取り沙汰されます。
①自分の非を素直に認めない
②他人の意見を聞かない
③自分の意見を持たない
④失敗から学ばない
⑤努力をしない
様々な言葉で言い表されていますが、まとめると、おおよそこんなところでしょう。
【《問01》小説の書き方は、作家の自由だと思う】【《問02》小説は面白ければ、それでいいと思う】は、自己満足度でも出した質問です。
繰り返しになるので、詳しくは省きますが、この設問は個人の考え方ですので、YESだろうとNOだろうと構わないのです。
問題となるのは、以下でもYESが多い場合です。
詳細はそれぞれの解説で入れますが、『自由』『面白ければ』という言葉を言い訳にします。[②他人の意見を聞かない] ために[①自分の非を素直に認めない] を行います。あとついでに使い古されている言葉なので、[③自分の意見を持たない] も該当するでしょうか。
【《問03》批判された時、指摘した人物の立場が気になる】は、具体例が必要かもしれないので、そこから入りましょう。
仮に「お前は二流だ」と言われたとしましょう。
人は権威や肩書きは弱い傾向がありますので、相手が尊敬できる一流の人間ならば、指摘を素直に聞くでしょう。
ですが二流以下、素人が同じことを言ったら? 「お前はどうなんだ?」「お前がやってみろ」と反論したこと、あるいは反射的に思ったことがありますか?
当てはまる人は、その考え方を変えない限り、成長はできません。
典型的な詭弁だからです。『あなた』が一流か否か? という疑問に対して、『お前』が一流か否か? という疑問にすげかけているのですから。
『お前』が一流か二流であるかで、連動して『あなた』の立場が上下することなど、絶対にありえないのに、です。
加えて、[③自分の意見を持たない] にも該当します。
素人作家が適切なアドバイスを送っている可能性について、全く考慮されていません。確かに有象無象の意見を集めると、ほとんどは役に立たない意見です。
ですがその中に、的確な言葉があれば? 不特定多数が意見を書き込める場であれば、一流の人が正体を隠しているかもしれませんよ?
それに一流があなたにとって役立つ言葉を吐くとは限りません。
病気にかかって病院に行った時を考えてください。近所の診療所にいる医者だろうと、巨大な大病院の部長だろうと、病気を治してくれるかどうかが大事ですよね? 名医がいる診療所と、医療ミスの多い大病院、どちらに行きます?
自分にとってどうか、という意見を持たず、『誰々の言うことだから間違いない』と安直に考えている限り、いつ痛い目を見ても不思議はありません。
【《問04》作品投稿時や紹介時、あらすじや作品説明で『初心者』『処女作』『初投稿』『見切り発車』『豆腐メンタル』】なんて言葉を自分で使っていたら、[①] ~[⑤] 全てに対する言い訳です。
ハッキリ言って、人生ナメてます。
意識してか無意識かはともかく、作者さんはワガママ言ってるだけです。『俺ヘタだから、それを加味して評価してね』『褒めてね。厳しいこと言わないでね』と。
読者さんの立場では『だから何?』です。
プロでも素人でも書き込めるということは、良くも悪くも評価基準が平等なのです。
そこで『自分の作品だけ判定基準を引き下げろ』なんて主張は、ワガママ以外のなにものでもありません。
レストランで運んでいた料理をひっくり返して顔にぶちまけられて、店員が一言も謝らずに『俺アルバイト初日ですから』『正社員じゃないからこんなミス仕方ありません』なんて言い訳されても、笑って流せますか? できる人は、神と
【《問05》小説を書いているのは、しょせん趣味だと思っている】はその続きに当たります。
たとえばコンテスト応募という形で主張して、あえなく落選。その時に『趣味だから』とこぼす。
[①自分の非を素直に認めない] [②他人の意見を聞かない] [④失敗から学ばない] [⑤努力をしない] これらに対する言い訳ですよね?
本当に趣味ならいいんです。誰かになにか言われても『趣味だから』『自己満足だから』でいいんです。本当に趣味ならば。
でも『作家デビューしたい』=『趣味で終わらせたくない』と思っていて、『趣味だから』という言葉を口にしたら、矛盾していますよね?
【《問06》小説力を上げるのに有用だと思うこと】は変則的です。[④失敗から学ばない] [⑤努力をしない] について、実務方面から観測しようとしています。
この問い、引っ掛け問題扱いになるでしょう
ぶっちゃけ、どれでもいいんです。他人の作品=他人の意見なので、全然読んでいない人は[②他人の意見を聞かない] に該当しますが、それ以上は。欲を言えば全てですが、よほどの読書家でない限り実行は難しいと思います。
重要なのは、読んだ後です。
[Ⅰ文章も話も評価されている作品] のみの人、多いと思います。
しかし成長性という観点では、これが一番役に立ちません。
作品を読んで『面白かった』で終わるからです。読者としてはそれで充分ですが、作者としてはなんの
糧にできる? すごい発想・すごい文体を学んで、自分の作品に反映できる?
そう反論される方、その行為は一般的に盗作・パクリと呼びますよ?
模倣する元がないと、あなたはなにも書けないという実証です。モノマネ作家としては成長できるでしょうが、本当の意味での一次創作者には、永遠になれません。
なので重視したいのは、[Ⅱ文章が下手でも話が面白い作家の作品] [Ⅲ文章も話も下手な作品] です。
作品の問題点を理解できるなら、既にご自分の意見、作品判断基準が存在するということです。それを自覚していれば、ご自分の作品に問題がある場合も理解できるわけです
発展させて、『自分ならこうする』という改善点を見出し、ご自分の作品に反映させることができます。
■改善■
これも作家さん個人の考え方に帰結するので、自分が言うのもおこがましいのですが。
まぁ、いくつか夢のない話を述べておきます。
昨今の素人小説出版ブームは、確実に大量の元・小説家を生みます。
あえて悪い言い方をすると、ただでさえ作家は、出版社からすれば消耗品扱いができる人材です。
芥川賞・直木賞といった権威ある受賞者でも、実際問題作家生命を絶って元・小説家になった人々は大量にいます。
物を作れなくなった人は見捨てて、作れる人を探すに決まっています。
あなたはご自分や周囲の人にはとっては、オンリーワンの存在です。ですがそれ以外の人にとっては、認識できない多数大勢のひとりに過ぎないのです。悲しく厳しいですが、これが現実です。
仮に運よく、あなたが思うままに書いた小説が出版され、売れたところで、今後も作家生活を行い、売れ続ける保障にはなりません。実績という意味ではプラスに働きますが、それを生かせるかは別問題です。
結婚式は幸せいっぱいだったのに、新婚生活数ヶ月で離婚する夫婦のようなことになりかねません。
肩書きはどうであれ、小説家は作品を世に送り続けないと、『小説家』とは呼べないのです。
過去作がいくら売れようと関係ありません。現在がどうかです。
あなたの周囲にもいませんか? 酔うと『俺も昔は~』などと過去の栄光を語りだす人。そんな人と同じ目で見られることになります。
さらに、小説家に限らず、モノ書きとして生きていけるかは非常に微妙です。
だって作家さんが『好き勝手書いた文章』が、評価されたんですよ?
それで読者や、特定の誰かの要望に応えられる文章を書けますか? プロのモノ書きは、できなければお話にならないのですが。
『小説の書き方は、作家の自由だと思う』
『小説は面白ければ、それでいいと思う』
前の項で触れていますが、この言葉は真実であり、間違いなのですから。
作家に許されている自由は、ほんのわずかです。『読者を楽しませないとならない』という巨大で絶対の束縛が存在するのですから。
小説家デビュー時は『作家さんが自分で楽しんで書いた文章=読者さんが楽しむ文章』にたまたま合致しただけなら、今後『楽しませる文章』は努力もなしに書けるとは限りません。
天才と呼ばれる人は合致し続け、売れ続けています。ですが運によるものと思ったほうがいいでしょう。
あなたはそんな運を持つ天才ですか?
作品に登場した主人公が、スタイリッシュに問題を解決する、完璧な人間だとしても。
現実に生きる作者さんは完璧ではなく、様々な困難に対して四苦八苦するでしょう。
周囲に耳を貸し、気を配ることができ、成長できる作家にならないと、
結果、小説を書くことが苦痛になり、筆を折るでしょう。
本気で作家になりたいわけではない、とおっしゃる方もいるでしょう。作品が書籍化されても続巻を出さない作者さんも、結構な割合でいらっしゃるようなので。
それはそれで構わないと思います。他にやりたいことがあり、小説執筆にかまけている場合ではないならば、なにも問題ありません。選ばれたその道を邁進して頂きたいと思います。
しかしそうでない場合、誰かから冷めた目で見られるかもしれません。
『書籍化されても続巻を出さない作者さん』を例に取ると。
Webコンテンツから書籍にする手間が、面倒になったんじゃない?
自分ひとりで好き勝手していた作品に、多くの人々が関わることがわずらわしくなったんじゃない?
誰かに期待をかけられても、応えることができないんじゃない?
そんな疑いを晴らすことができるでしょうか?
最初から作業を減らす効率化ができない。あるいは作業が増えてもやり通す情熱も覚悟もない。
他人とコミュニケーションを取り、交渉や譲歩ができない。
責任を持つことを嫌う。
どのような分野であれ、そのような自分勝手な人が、大成すると思えますか?
メリットだけを享受して、デメリットを避けようとする気持ちは、わからなくはないです。
しかしデメリットを押し付けられる他人からしてみれば、たまったものではありません。
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