第4話

なんだろう…

すごくドキドキする。

蘭丸に密着してたことが急に恥ずかしくなって、私はそっと身体を離した。




「めぐみ…どうした?」


「え…あ、あの…その…」


どうしたんだ?

蘭丸は、超美形で優しいとはいえ、あやかしだ。

小狐なんだぞ!なんでそんなもの相手に、こんなにドキドキするんだ?

自分の気持ちが理解できない。



(でも……)



現実に目の前に出されたら、う○こ味のカレーなんて食べられるだろうか?

う○この味なんだよ?そんなもの、本当に食べられる??

たとえそれがう○こだとわかっていても、カレー味のう○この方が食べやすいっていうのが本音なんじゃないだろうか?




だとしたら…




あやかしとはいえ、私のことをこんなに信じてくれて、こんなに優しくしてくれる蘭丸にひかれるのは、もしかしたら自然なことなんじゃないだろうか?




考えてみれば、蘭丸とは事情は違うとはいえキスまがいのこともしたし、二人でひとつの布団に寝たこともある…




その時、私は嫌な気持ちは少しもしなかった。

いやどころが、むしろ、ちょっと嬉しいような…ときめきみたいなものを感じたのも事実だ。




私……心の底では蘭丸にひかれてるの…??


龍之介さんよりも蘭丸の方にひかれてる…??

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