読書感想文『Dジェネシス 5』感想(ネタバレ)

 本当は別の本の感想を書こうとしたのですが、その本が行方不明になったので急遽こっちの感想を書くことにしました(笑)

 

『Dジェネシス ダンジョンが出来て3年』の書籍版の五巻目ですね。

 すでにWEB版は読んでいるので先の内容まで分かっている作品でふ。


 ですが、今回ははっきりと『WEB版より面白かった』です。


 WEB版ではさらっと流していた場面を上手く『物語』に昇華しているため、WEB版をすでに読んでいる読者でも『このエピソードをここまで膨らませてくるか!』という風に感心できる仕上がりとなっています。


『テンコー』なんてWEB版だとただの『出落ち』的なキャラクターなのですが、書籍版だとちゃんとした登場人物の一人に出世してます。これからも登場する可能性があるぐらいのキャラクターまで成長してますね。


『ファントムのシーン』もWEB版だとそれほど特別なシーンではないのですが、書籍版だと『五巻のメインを飾るシーン』としてきちんと成立させているのは面白い変化だと思いました。


 やっていることはWEBも書籍もほぼ同じなのですが、そこに至るまでの積み重ねが違うので、読者が受ける印象はまったく異なります。この違いは『分かり易い比較』になっているので勉強になるでしょう。


 他にもWEB版だと『スルーされている箇所』が補強されたり、それに伴って『今後の展開が変化するような幾つかの伏線』が張られたりと、WEB版よりも『物語性』を高めようとしている努力の痕跡がたくさん見つかる内容となってます。


 今までもちょくちょくWEB版と内容を変化させてきましたが、この五巻ではそれが一つの成果として『明確な形』となって読者の前に姿を現しました。


 WEB版ではSF作品らしく『淡々とした描写(展開)』が比較的多いのですが、今回は『読者を楽しませよう』という作者様の意図がはっきりと見えましたね。


 これが『物語を膨らませる』ということでもあります。『物語の形』が大きく変わったわけではなく、WEB版では『取りこぼされていたもの』が書籍版では『きちんと拾われている』という感じですね。


 むしろ『変化させられる箇所』をきちんと見抜いているということでしょう。下手に変化させると全体のバランスが崩れますから、それを崩さないように『物語の流れ』を上手く把握しながら書いているのだと思います。


 まあ、多少は物語の流れが前後した関係で文章の意味合いが変わった部分(四巻辺り)もありますが、それでもWEB版を読んでなければまったく違和感を感じない構成になってるでしょう。


 この出来ならば次回も期待できますね。物語を『ブラッシュアップ』できるというのは作者様に対するの信頼の証でもあります。


 さて、次回は春らしいのでそこまで長くは待たなくて良さそうです。

 今のところは大体『半年に一冊』ぐらいのペースでしょうかね。


 まあ、その代わりWEB版の更新はまだしばらく先という感じでしょうねー。

 続きも読みたいですが『ブラッシュアップ』した物語も読みたいという贅沢。


 もっとも『どちらでもいい』という意味では悩む必要はありませんけど(笑)

 どちらも『面白い』ですから。後は『漫画版』もありますし。


『アニメ化』とかはどうだろうねー。

 基本的には『小説で読む』のが一番面白い作品形式ですし。


 まあ、今はWEB小説がどんどんアニメ化している時代ですから。もしかすると出番が回ってくる可能性もありおりはべり(以下略)という感じでしょう。


 でわでわ、行方不明の本を探さないといけないのでこの辺で(汗)

 前作はあったのですが、近作が見当たらないとは困ったものでふよ。


<終わり>

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