特撮感想『仮面ライダークウガ』(ネタバレ)

 久しぶりに舐めてたらカウンターパンチを食らいました。

『物凄い評判良いけどそれほどじゃないんだろう』と思ってました(汗)


 いや、めっちゃおもろいですやん(サバンナ風)


 久しぶりに『ごめんなさい』してしまいました。

『月姫』のときも同じことやったのに成長してねえです(大汗)


 見れば『平成仮面ライダー』が誕生したのが理解できる作品でした。

 今の世の中じゃ作れない『大傑作』の一つですね。

 

 ほんとに見てるだけでスタッフの『やる気』が読み取れますよ。


『これが俺たちの仮面ライダーだ』

『仮面ライダーをもう一度復活させてやる』


 ストーリーの質はかなり高いし、演出も全体的に挑戦的ですし、これが良い作品を作る熱量というやつです。多くの製作者が失ってしまったものでもありますね。


(挑戦的過ぎて演出的に失敗した部分も多いですけど)

(バイクの初登場とか、ラスボスの初戦飛ばしとか、一話見忘れたかと思いました)


『警察』とか『被害者』の描き方が凄い。周囲の人々も含めて掘り下げています。話が進むと敵側にも事情があるって分かるのも面白いですね。『仮面ライダー』だけが主役じゃないという物語をきちんと描いています。


(『仮面ライダーアギト』とは違い警察内部が揉めないのも良かったです)

(でも、『アギト』も面白いので見ることをお薦めします。宣伝でした)


 そして、この作品の一番凄いところは『子供から見た仮面ライダークウガ』と『大人から見た仮面ライダークウガ』が違うという『二重構造』になります。


 おそらく子供がこの作品を見ても完全に理解できないと思います。

 でも、それは製作者側も分かっていて製作しているのです。


 最終回で『妹』が『子供』にある言葉を問い掛けます。

 でも、子供はその言葉にきょとんとした顔を見せます。


 それがこの作品における『子供の視点』なんですよ。

 

 子供にとって『仮面ライダークウガ』は自分たちを助けてくれる正義のヒーローに過ぎないわけです。


 強くてカッコいい正義の味方なのです。

 この世界にいて欲しい存在なのです。


 でも、大人にとっての『仮面ライダークウガ』は違います。

 彼らにとって『仮面ライダー』は『愛と悲しみの戦士』なのです。


 子供にとって『仮面ライダークウガ』が終わったことは寂しいことですが、

 大人にとっては『仮面ライダークウガ』が終わったことが嬉しいことなのです。


 この『二重構造』は見事と言えます。

 製作者が『分かってる』からこその演出です。


 たぶん子供には最後に『なぜ主人公があんな行動を取ったのか』ということが理解できないと思います。もっと分かり易い結末でも良かったはずだと。


 でも、この物語を正しく受け取っていれば、彼の最後の行動も理解できるようになります。あの終わり方でなければならなかったことが分かります。素晴らしい作りだと思いました。


 というわけでその辺りはテーマとも関係してきますので、超ネタバレに移します。

 次回は『仮面ライダークウガと言う物語が何だったのか?』で深堀です。


<続く>      

   

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