道徳における同調圧力問題

「今回のはテーマが重いんじゃない?」


「ちょっと重いかもね」


「じゃあ早速馬鹿猫の主張を聞いてみようか」


「ちょっと待って、まずはこの問題を考える事になった事例を話させて」


「ん、じゃあどうぞ」


「あのさ、ある道徳の教材になりうる内容の漫画がネットでちょっとした話題になってたんだ」


「ふんふん」


「そのコメント欄、ほとんどがいい話だって意見だったんだけど中にはこう言う同調圧力的なものは苦手って言うものもあったんだ」


「その漫画ってどう言う内容だったの?」


「苦手なものは出来る人に任せて自分は出来る事をしたらいい。各々が出来る事をやって助け合えば物事はうまく行くよって話」


「いい話じゃないか」


「でもそれは何かして貰ったら何かお礼をするのが当然って言うのが前提になっているんだよ」


「見返りが前提になっているんだね。そこが同調圧力だと」


「何でも義務になっちゃうとプレッシャーが掛かっちゃう人がいるからね」


「それが出来ればそればいいけど出来ないならしなくていいって流れが必要なのかな」


「優しい世界やね」


「その漫画の欠点をもうひとつ上げるとするなら、いくら苦手だからってそれからずっと逃げ続けてそれでいいとしてしまうのもどうなのかなって……」


「アレルギーみたいな間違えたら死ぬような問題だけなら避けるのが絶対正義だけど、それを乗り越えれば見えてくる世界があるようなものだとある程度苦難に立ち向かって欲しい気もするね」


「例えば掃除や後片付けの苦手な子がずっとそれらから逃げてしまうって言うのもね」


「欧米じゃ学校の掃除とかは専門の業者がするらしいんだけど日本の教育に慣れているとちょっとモニョるよね」


「それと似たようなのでは夏休みの宿題問題があるね。業者にやらせて本人は別の勉強をさせるって」


「夏休みの宿題問題は親がもっと受験とかの勉強をさせたくてそうしてるって報道されてたっけ」


「効率だけ考えると色んな物が抜け落ちていく気がするよ」


「馬鹿猫って夏休みの宿題は……」


「最後の最後まで残して結局幾つかは残しちゃう派だったよ」


「駄目じゃん!」


 そんな訳で今回は同調圧力についてでした。

 特に日本はみんな同じだと安心する民族だけに同調圧力って他の国より強い気がします。

 

 その点アメリカとかの西欧諸国は個人主義と言うか人と違ってそれがいい、なんてところがありますよね。

 私は日本から出た事がないのでそう言う雰囲気を肌で感じた事はないのですが。

 個人主義と言えば中国もそんな感じみたいですけど人口が多いから主張しないとどんどん埋もれてしまうお国事情がありそうです。


 日本人も戦後とかのまだ兄弟が多かった時代の人達は今よりかなりハングリーだったみたいですし、子供の数が幼少期の性格形成に影響を及ぼしている可能性が高いのは間違いない気もします。


 話を戻して同調圧力ですがこれ厄介ですよね。何しろ相手の心を察しろ文化の悪い部分ですから。いや、察する文化にはいい面もあるんですけど。


 みんなと同じじゃないといけないと言う強迫観念、こう言うのが常識だって言うのが広がるとそれに従わない者を異分子扱いしてしまう危険性。

 特に道徳とかこれが正しいって正義の部分が広がってしまうと出来ない人を排除する動きに正当性と言うお墨付きを与えかねてしまいかねない。

 だからこそ、それが当たり前・当然、じゃなくて出来ればそう言う行動が出来たらいいね、くらいの弱い強制力を働かせるくらいでいいと思うんですよね。


 最近は繊細ヤクザの方の暴走が激しいので出来ない者の人権を認めろーみたいになってますけどやっぱり行き過ぎるとこれもまた厄介ですよね。お互いが探り探りで妥協点を見つけあって欲しいと思います。何事も程々が一番です。


 相手を思いやって意見を無理に押し付けない。この考えが一般的になって欲しいな。

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