プロ


 謎の液体を飲んで気を失っていた日下部だったが……。

「不思議と体が軽い……」


 ドーピングに引っかかる成分は入っていないとの事だったが、いったい、何が入っていたのか。

(ヤバイもんが入ってんじゃねえだろうな……?)

 体が軽いのも、かえって不安だった。

 問いただそうにも、プロフェッサーの姿は部屋の中にはない。

「おっと、そろそろ練習時間だな」



 日下部は、野球部の部室に向かった。部室と言っても、中学校や高校の部室とは大違いである。

「社会人野球の選手も、野球選手……か」

 しかし──。

(俺は、社会人野球がやりたくて、社会人野球の選手になったんじゃない。俺は、プロ野球の選手になるために、社会人野球の選手になったんだ──!)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る