おかんチックナレーションと疑似RPGの謎
姫宮未調
プロローグ
ACT.0 赤い誘い
━━お決まりの魔物襲来から物語は始まる━━
ここは魔法技術最先端なのに貧困極まりない小国。
毎度毎度、隣国やら他国、魔物に襲われ、散々な国である。
しかも国の名を持たない。
取り敢えず国王の名前が名称になり、毎回変わる為に意味あるのは技術力だけ。
勇者など存在するわけもなくて、野望と欲望ばかりが錯綜する、嫌な
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…………そう、これは《ノーネームストーリー》という名のゲームなのである。
ゲーム雑誌にも、ゲームサイトにも名前はない。
ジャンルはRPGとしか明記のない謎のゲーム。
冒頭の文章が書かれ、ゲーム起動時にもそのテロップが流れていた。
本編主人公・有栖川咲哉がたまたま立ち寄った古いゲームショップの100円セールカゴから見つけた謎のゲームである。
店主もこんなものあったかな?と首を捻りながらも調べもせずに購買に至った。
身分証もバーコード読み込みもいらない、古いゲームショップ。
咲哉は暇な時間が潰せればそれで良かった。
因みに会話は一切していない。
髪は長く目が隠れ、後ろ髪は無造作に纏められて、服装も地味を通り越してズボラなダボダボなトレーナーに擦りきれたズボンという出で立ち。
性別を判別するものは一切見当たらない。
加えて口を開かなかった。
~・~・~・~・~・
……主人公に選択肢はなかった。だが、ドット絵で全く人相どころか性別さえもわからない。通常であれば男、なのだろう。場面はありきたりな、剣が刺さっているシーンからだ。テロップが流れた。
《まだ立ち向かう気力のあった戦士の剣》
……こんな所に刺すほどでもない剣。重々しい空気などなく、軽々抜ける。
《使い古された剣を手に入れた》
簡潔化されて、気力のあった戦士が悔やまれる。しかし、近くでキラリと光るものがあった。ネックレスのようなもの、血のように赤い宝石が咲哉の隠れた目を惹き付けた。
………気が付くと、知らない場所に座っていた。
まるでさっきのゲーム画面がリアル化されたような……。
そして、しっかりと、《使い古された剣》と血のように赤い宝石のついたネックレスを握りしめていた……………。
******ACT.1へ******
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