第3話

「いいな、失敗を恐れるな」

 部長は僕に言った。

「間違いや失敗の繰り返しで何事も上達するものだ」

 部長の過去に何があったのか、みんな知らない。


 僕はテレビ欄を作っていた。ゴールデンウィークを過ぎたあたりの日である。僕は部長に提案した。

「『ラジオ欄』を設けるのはどうでしょうか」

「なにゆえ?」

「自分の部屋にテレビがない生徒にとっては、ラジオ番組の案内があったほうが役立つのではないでしょうか」

「面白い。やってみたまえ」

 というのも、僕の部屋にもテレビがなく、ラジカセしかなかったからだ。僕はどんなラジオ欄を作ろうか思いを巡らせた。失敗を恐れずやろうと思った。これが僕が初めて新聞部で自分から立ち上げた企画だった。

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