第七十八話 骨が折れる
「やれやれ……骨が折れるなあ」
「もう折れてるじゃないか。全治一ヶ月だろ?」
「まあね。折れてる間だけだなあ。一服出来るのは」
「じゃあ、もう一回折るか?」
「止してくれ。食っていけなくなる」
「それもそうか」
「折れてる骨はくっつくが、骨折り仕事はくっつかん。そこがな」
「難儀なことだ」
「ああ」
◇ ◇ ◇
誰かのために骨を折る人がいて
自分のために骨を折らせる人もいる
粉骨砕身と粉砕骨折
一字違うだけで全く意味が変わるように
自分の指を折るのに忙しい人は
すぐに人の話の腰を折る
【 了 】
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます