オレ彼!?★ 融(とおる)の章 黒い人

絢香ちゃんと、

オレは、寝るまで、

しょっちゅう愛のささやきのメールを

やり取りした。


絢香ちゃんは、

火事の屋敷跡に暮らすのは、

なんとなく怖かったらしい……。


無理もないな……。


寺町のど真ん中だし……。


だから、オレとのメールのやり取りが、

怖さを紛らわしてくれるんだと♪


醍醐寺 遙華 婆さんは、

絢香ちゃんの親戚だとわかった。


変なところで、

ご縁はつながっていた……。





オレは、幸せに包まれた気分で、

枕を抱きしめながら眠った。


するとまた、

草木も眠る丑三つ時……。


またもや、

昨夜の黒い塊が現れた!?


金縛りで身体が動かない!?


あの血走った眼が、

オレを見つめている!!


足元から、

這うように、

黒い塊が、

オレの顔に近づいてくる!!


うわぁ~!!

何だこれは!!


ざわざわと、

悪寒がする!!


近づくな~!!


――アナタは、

ワタクシに、

つけ文なさいましたよね?――


つけ文?

知らねー……っつ~か、

オレじゃねぇ~!!


死んじまった曾祖父(ひいじい)ちゃんが、

送ったって……。


――アナタとそっくり……。

違いますの?――


黒い塊は、

女のようだ!!


髪の毛がざんばらになってはいたが、

頭に響くコトバづかいは、

最近上品そうなお年寄りしか聞かない、

上流階級の奥様コトバだ!!


声は、絢香ちゃんそっくりだ!!


黒い塊はオレに抱きついてきた!!


絢香ちゃん?


黒い塊は、

黒い人になり、

頷いたかと思うと、

みるみる全身火に包まれ、

火だるまになってしまった!?


――まだアナタに、

お返事していません……のに……。――




それは、オレじゃねぇ~!!


曾祖父(ひいじい)ちゃんは、

もうあの世に、

とっくに旅立ったんだぜ!!


金縛りが解けて、

寝汗でぐっちょりになった布団の中に、

あの燃えた黒い人を探した……。


絢香ちゃん?


声は似ていた……。


あの燃えた黒い人は、


オレの曾祖父(ひいじい)ちゃんを探して、


まだ浮かばれていないのか……?


絢香ちゃんと、

オレが出逢ったから、


浮かばれない哀しい女性の魂が、

オレの所に、

現れてしまったんだろうか?



そんなコトを

ぼんやり考えていたら、

また寝てしまった……。

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