桃太郎兄弟

 むかしむかしあるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました。

 おじいさんは山へ柴刈りに

 おばあさんは川へ洗濯に行きました。


 おばあさんが洗濯していると向こうの方からどんぶらこ~どんぶらこ~と大きな桃が流れてきました。

 おばあさんはその桃を拾い上げて家に持って帰りました。

 そしておじいさんが帰ってきてからその桃を二人で食べました。

 するとどうしたことでしょう。

 おじいさんとおばあさんが若返ってしまいました。


「な、なんじゃこりゃ~~~!」

「こんなのありえな~い!」

 おじいさんとおばあさんは最初は驚きましたがすぐに慣れてしまいました。


「なあ、せっかく若返ったんだし今度こそ」

「ええ」

 おじいさんとおばあさんには子供がいませんでした。

 なので……



 そして


「父さん母さん、おれ鬼退治に行ってくるよ」

「兄さんだけに行かせるわけにはいかないよ、おれも行く」

「お兄ちゃん達だけ行かせるなんて心配だから、わたしも行くわ」

「ぼくも~」「あたしも~」


 おじいさんとおばあさんは張り切りすぎてたくさん子供をつくりました。

 上から桃太郎、桃次郎、桃子、桃三郎、桃美と、いったい何人いるのやら。


「ああ、行っといで。そして」

 おじいさんとおばあさんはたくさん過ぎる子供達を養っていけなかったので

「宝を奪ってこい、お前らの食費の為に」

 そう言って子供達を送り出しました。


 桃太郎兄弟は犬や猿や雉をお供にすることもなく鬼ヶ島に行き

 あっという間に鬼を退治しました。

 全員幼いとはいえ一騎当千の強者だったから。

 そして鬼から奪った宝物を持って帰りました。


 その後桃太郎兄弟は方方の妖怪やら盗賊やらを退治すると言ってはそいつらが持ってる宝を奪っていきました。

 それが結構貯まったので兄弟達は一生生活に困ることなく暮らしていけましたとさ。



おわり

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