しんにょう

「しんにょうに首で道」


 「道に首が落ちてたら恐いやんか」


「しんにょうにくが三つで巡る」


 「くっくっくー、って鳩が回るって感じ?」


「しんにょうに山で辿る」


 「ナビ無しで山道なんか辿れへん」


「しんにょうに言うで、這う」


 「ぼけ。にょろにょろ系で口利けるやつはおらんやろ」


「しんにょうに車で連なる」


 「暴走族のパレードかい」


「しんにょうに入れば込める」


 「出られなくなりそうやん」


「しんにょうに秀でるで透ける」


 「確かに、透け透け衣装は秀でてるわ!」


「しんにょうに軍で運ぶ」


 「自衛隊の運搬車、かっこええわあ」


「しんにょうに貴いで、遺す」


 「貴い? 遺ってるの、がらくたばっかやん」


「しんにょうに十で、辻」


 「数字で十だけ特別扱いは不公平や!」


「しんにょうに白で、迫る」


 「俺が迫ったら、顔が白なってたもんなあ」


「しんにょうに反で返す」


 「親が反対して、カノジョ返してくれへん」


「しんにょうに束で速い」


 「束になってかかって来ぃや! 俺の逃げ足は速いでー」


「しんにょうに告げるで、造る」


 「真実は告げ口で造られるんやでー」


「しんにょうに周るで、週」


 「ジョギング、週に一周しか出来ひんかった」


「しんにょうに米で、迷う」


 「メニューに迷えるほど米が残ってへんわ」


「しんにょうに己二つと共にで選ぶ」


 「自分が二人いても友達になれへんし、どっちも選べへん」


「しんにょうに……」


 「ええ加減にせ! もう、しんにょう禁止や!」


「それは、進入」



【おしまい】

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