端物野菜置き場
水円 岳
ある日のこども科学電話相談
今日は、みみずに関する相談をみんなから受け付けます。
「はい、さいしょのひと、どうぞ」
「せんせー、よろしくおねがいします」
「どんなそうだんかなー?」
「みみずはどっちがあたまで、どっちがしっぽなんですか?」
「まえへすすむほうがあたまです」
「あとずさりしてたらわかりませんよね?」
「はじをかかせましょう。はずかしがってかくそうとしたほうがあたまです」
「めもみみもないみたいですけど、どうやってはじをかかせたらいいんですか?」
「じぶんでくふうしてみてください」
「ひらきなおるみみずだったら、どうなるんですか?」
「しばきたおしましょう」
「きにやんでくびをつったら、どうせきにんとるんですか?」
「くびがどこかかんがえてるうちに、きっとわすれるでしょう。いまからそんなことをしんぱいしてたら、はやくはげますよ」
「……。ありがとうございました」
「はい、つぎのひと、おまちどうさま」
「みみずは、なくんですか?」
「さあ、こころのなかでなくかもしれませんね。つぎのひとどうぞ」
「みみずは、どうやってこいびとをみつけるんですか?」
「しりたくありません。せんせいにもみつからないのに、みみずにさきをこされたらわたしはいきていけません。つぎいきましょう」
「みみずではんばーぐつくってるおみせがあるって、ほんとうですか?」
「それはせいぶつがくではなくて、けいざいがくですね。こーなーがちがうので、ほかをあたってください。わたしはぺいしないとおもいますが。ほい、つぎ」
「みみずはちきゅうにやさしいんですか?」
「ちきゅうがみみずにやさしいんです。はい、どんどんいこう」
「みみずのたまごでめだまやきがつくれますか?」
「かていかのせんせいにききましょう。ついでに、みみずすぱげてぃもつくってみてください。あと、ひとり? さいごのひと、どうぞ」
「あ、あの……」
「なにかな?」
「これって、どのあたりがかがくなんですか?」
「ただでそうだんして、こたえおしえてもらおうなんて、よのなかをなめてますね。もっとおべんきょうしましょう。みえすいたうそをみやぶるのも、かがくのちからですよ」
【おしまい】
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