心の重さ
気は晴れないが、くよくよしていても仕方がない。
私は一週間ぶりに円盤型のロボット掃除機のスイッチを入れた。
すると掃除機は掃除をしないで、所在なさげにウロウロと動き回っている。
そして私を見つけると、近づいて来てしゃべり始めた。
見ると、エラー表示が出ている。音声ガイダンスのようだ。
「本機の自重が前回稼動時より約3キログラム減っています。重要なオプション機器がはずされたものと推定します。このままでは正常な動作が行わない可能性があります。すみやかにオプションを再装着してください」
そして、そのまま充電ステーションに戻り動かなくなった。
私は無駄と知りつつ、掃除機にそっと話しかける。
「タマはもう帰ってこない。死んでしまったんだよ」
掃除機はもう何も答えない。
……ただ、エラーを示すランプを明滅させている。
それはいつまでも止まらなかった。
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