不死の終わり8

 思いのほか、先生が忘れっぽいことが分かったのですが、結局神族を殺す道具がどこへ行ったのかわからないのは困りましたね。リベルが言うには記録に残っていないので、今では世界のどこを探しても見つからないということになりますが、どういう理屈で神族を殺していたのかが解ればまた作ってもらうこともできるでしょう。

「その道具を作った時の事は思い出せないんですか?」

「確か、話を持ち掛けてきたのはウィータで」

 生命の神のウィータですね。神族を生命の枠に入れてしまった神族らしいですね。なんでも大変ほかの神族から恨まれたとか。

「死ぬことができるようにするために神族を生命にしたのに、結局死ねなかったから死の神である私に協力を依頼してきて、だんだん思い出してきたね」

「協力を依頼してきて、どうなったんですか?」

「確か、そうだわ、二人で魂の構造を確認したりして、構造的な弱点を突く道具を作ってもらったのよ」

「おお、で、その魂の構造的な弱点というのは?」

「ちょっと待って、まず魂の構造から説明するわね。魂っていうのは、個人を形作る枠みたいな部分と、それに溜まっていく蓄積されていく部分があるのは前に教えたわね?」

「覚えてますよ、大丈夫です」

「よしよし、じゃあ次に、通常魂を回収するときは枠組み丸ごと回収するものなのだけど、魂はその枠ごと冥界に持ってきて、枠をばらして蓄積された魂を現世に分配しなおす、というのが死神が行っている魂の処理なの、だけど原初親族の魂の枠は世界が生まれた時に作られたもので生半可なパワーでは壊せない、だからそう、直接魂の枠をぶっ壊す機械を作ったのよ。思い出したわ」

「その機械の仕組みとかは思い出せます?」

「うーん、魂に衝撃を与えられる杭をもの凄い勢いで発射する、ということぐらいしかわからないねぇ」

 ものすごい勢いで魂をぶん殴れる方法があれば、原初神族の魂を破壊してリベルを殺すことができるってことですね。

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