13話:テロリカ

テロリカ1

 リベルが天界へ行ってしまって半年が過ぎ、私は不死者狩りの部屋に来ていた。あれからもちょくちょく報告に訪れていたため、もう迷うということはなくなり、大体二十分程でたどり着けるようになりました。

「不死者リベルから再び殺害依頼が入った。死神テロリカはまた不死者リベルの監視の任務に戻ってくれ」

「了解です」

 今度はしっかりと任務の内容を伝えられ、馬車に乗って現世のあの村へと向かう。

 馬車に揺られること一時間、離れていた期間はたった半年、過ごした期間もたった半年なのにとても懐かしい気分になるあの村に到着しました。

 とりあえず村長さんのところに挨拶しに行きましょうかね。


「村長さん、お久しぶりです」

「ああ、久しぶりだねテロリカさん、冥界はどうでした?安心して死ねるような世界でした?」

「ええ、いつでも安心して死ねるように死神がいつでも魂を回収する体制が整っていますよ。でも、村長さんには長生きしてほしいです」

 というより、この村長さんは殺しても死ななそうな性格をしている、不死者ではないはずなのであくまで慣用句としてですけど。

「はっはっは、まぁまだ死ぬ予定はないから安心していいよ、ところで、君が戻ってきたということはリベルさんも戻ってくるんだろう?」

「まだ戻ってきていないんですか?」

「ああ、君はもう戻ってきてると思っていたならば、もうすぐ戻ってくるのだろう。それまで、お茶でも飲みながらのんびり待てばいいさ」

「そうですね」

 そういえば、ちょうど一年前もこんな感じだった。あの時は確か、あんまりにも遅いから先に家を確認しに行ったらそこにリベルがいて、という感じでしたね。

 ということはもしかして、家に戻れば既にそこにリベルがいるということなのではないか。

「村長さん、もしかしたら直接家の方に帰ってきてるかもしれないので、行ってみますね」

「そうか、そうだね。行ってみるといい」

「お茶、ありがとうございました」

お礼を言って、村長さんの屋敷を後にする。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る