そして僕は旅をすることになる
叛逆のまっさん
始まりの日
深い闇の中。
まったく明かりを見つけられない。
ここはどこなのか?朦朧とした意識の中、僕は必死に歩き回った。
そして、やっと見つけた、輝く光の下へ。
「はっ!どこだここは?」
僕は、なぜか仰向けに倒れていた。そのおかげか、雲一つ無い青空、いや青空なんてものじゃ言い表せないな。
綺麗なスカイブルーが目の前に広がっていた。
しかし分からない事が、なんで僕はこんなところに倒れているんだ?
不思議に思い周りを見渡すと。
「お目覚めですか?マスター」
一人の少女が、白銀の髪をなびかせながら尋ねてきた。
その少女の背中には、美しい羽があった。
「あの?君は誰?」
僕は、今おきている状況が理解できていない。まず彼女は誰なのか?なぜ僕がマスターなのか?そして、僕は?
あれ?
僕の名前は?
「マスター、何を言っているのです?私はマスターに忠誠を誓った家臣の、サリナでございます」
「うわあああああああああああああ」
頭がパンクした…
え~、とりあえず自分なりに状況を理解してみた。
目が覚める
↓
よく分からない場所に居る
↓
少女がマスターと呼んでくる
↓
自分が誰か分からない←今ここ
何だこのクソゲー状態は?
「あの、ちょっといいかな?」
「なんでしょうか、マスター」
「俺は、誰?」
とりあえず、彼女は俺の名前を知っているだろうと思い、聞いてみた。
「何を言っているのですかマスター?マスターはマスターですよ」
まあ、当然こうなるよな。
「じゃあ、ここはどこだ?」
「ここは、始まり草原でございます」
なんで、そんなところに来てしまったんだ。まず、自分のことがも何も思い出せない。
「戸惑うのも無理はありませんマスター。マスターはこれから、旅に出るのです」
「はあ?旅なんてしねえよ。家に帰って寝るからな」
「自分の記憶を取り戻す旅だと言ってもですか?」
なんで、こいつ。
「どういうことか説明しろ!何がどうなってここにいるんだ!?」
僕は気がつけば、サリナの胸ぐらをつかんでいた。
「では、ご説明いたしましょう」
サリナが言い終わると同時に、あれだけ綺麗だった空が急に暗くなり、目の前を闇が覆った。
ここは、選ばれし者だけが来る事のできる【エクセリオン】の中だ。
ここに来られし者は、皆記憶を無くす。
そしてこの世界には、君たちの記憶を取り戻すためのヒントが散りばめられている。
それを集め、全記憶を取り戻しものが、この世界の神となり、この世界を統率する。
もちろん、神となれば、元居た世界に戻れる。
さあ、記憶探しの旅に行くのだ。
「何だ今のは?」
真っ暗になったかと思えば、また元居た場所に戻ってきていた。
「マスター、ご理解頂けましたでしょうか?」
「理解できるわけねーだろ、あほか」
当然だ、いきなり意味不明な場所で目が覚めて、記憶を奪われてて、変な世界に囚われたんだ。理解しろって方がおかしい。
「しかしマスター、旅をして記憶を戻さないことには、ここから抜け出すことは出来ません」
「わかってるよ」
わかってはいるが、いきなりすぎて何をすればいいのか。
「では、マスターとりあえず旅の準備として、あちらに見えている街に行きましょう」
いきなりすぎて本当にわけがわからない。
しかし、いつまでもここにいるわけにもいかないので、今はとりあえずサリナの指示に従うことにした。
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