詩。のようなものたち

ソウ

神のいとし子


僕には夢がある。

憧れるものがある。

そして、家族がある。

手を差し伸べてくれる人たちがいる。


僕は、あともう長くは生きられないかもしれないけれど、

僕を見守る友人は僕を元気にしてくれる。


僕を一日でも長く助けようと、

まいにち僕と一緒に戦ってくれる先生がいる。



『なぜ、ボクが?』

何度もそう絶望したけれど、いまの僕には希望もある。

かけがえのない、命がある。



かわいそうだと不幸な人生だったと誰もが言う。

そうだとしても――。

僕はきっと誰よりも、愛に溢れ満ち足りている。




               ありがとう。

        ありがとう。

ありがとう。




いま。僕は。

ひとりじゃ起き上がることもできないけれど、

いまの僕が無かったら、僕はこれほどの感謝に気づけなかった。



この白い一室に閉じこもるしかない僕は、

まだまだ世界を知らないけれど、

僕は世界に……いいや神にだって胸を張れるよ。





『この世の片隅で生を受け、人生を全うした僕は、

この世でいちばんの果報者になりました。』






って。












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