⚪︎悪夢へのカウントダウン

第2話

「今月だけで数十件、これは異常だろ」

 そう言ったのは私の先輩、志奏さんだった。

「確かにおかしいです」

 私達もそれに同意した、いや同意せざるを得ない程の資料が揃っていた。

 六月、その月に異常事態は起きた。

 管轄内だけで一ヶ月に数十件の水死体の発見があったのだ。

 事件数が異常なことから急遽作られた{多発水死体事件捜索課}は殺人の方向も想定して捜査を進めていた。

「数十件の水死体……犯人の手口は」

 後輩の一人が資料を広げる

「いずれも犯人の目撃は無し、被害者に目立った外傷も無し……あ、一つだけ目撃者ありの事件があります」

 私は志奏さんと目で語りあった。

「よし、卯月、海籐、いくぞ」

 私と海籐は勢いよく立ち上がった。

「了解しました」

「りょ、りょうかい!!」

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