俺と彼女の青春は少々捻くれている
遠野蜜柑
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血の滴るそれを彼女の下駄箱に入れる。
こうするのは仕方ないこと。
自分の意図に反する行いを彼女が繰り返すから。
これは制裁だ。然るべき処置なのだ。
こうしなければ自分の想いを遂げることはできないのだから。
こうやって障壁を取り除いていけば自分の想いもいつか報われるだろう。
為すべきことを為し終えると、自分の口元が綻んでいることに気付いた。
充足感が表情を緩ませている。
深き愛を持っているからこそ、自分はこんなことまでできてしまう。
どんな行いも躊躇いなく行えてしまう。
ああ、これは偽りのない愛情に違いない。
きっと今度こそ本物に違いない。
自分はもう、愛を知らない獣ではないのだ。
自分は間違いなく人間なのだ。
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