No.97【忘れ物】
少女「えっと、その節はどうもありがとうございましたっ」
男「ははっ。なんというか堅いな」
少女「ずっと言おう言おうと思ってたことですからね。どうしても緊張してしまいます」
男「別にそう気にしなくていいんだぜ。俺も祭りを一人で回るのって暇だったんだからさ。良い暇潰しだったよ」
少女「その言葉、三年前にも聞きました」
男「あれ?そうだっけ?よく覚えてるなぁ」
少女「……男さんはもうほとんど覚えてないんですか?」
男「ん?、んー。綺麗な青い浴衣だったのは覚えてるよ。あとあのときの絵でたこ焼き描いてくれたの、手帳を破って俺に見せてくれてたでしょ?そのページだけは鞄の中にあってさ。部屋のコルクボードに貼ってある」
少女「そ、そうですか……なんだか照れ臭いことばかり覚えてますね……」
男「そうか?」
少女「雨に当たって頭を冷やしてきます」
男「確かにその発想は頭を冷やすべきだがちょっと待て」
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