No.89【約束の束】

少女「しっかし色々話しましたねぇ」


男「そうだな」


少女「花火、約束ですよ?」


男「わかってるよ」


少女「タオル、返してくださいね?」


男「わかってるよ。その代わりフルート聴かせろよ?」


少女「むむ。わかってますよぅ」


男「ここのドアを開けるコツも教えてくれよ?」


少女「今日みたいにほぼ半開きにさせておくと楽ですよ」


男「それは反則じゃないか……?あっ、あと七夕のときの。連絡先の相手にちゃんとお礼言ったら教えてくれな」


少女「むむっ。さりげなく約束追加ですね」


男「はは。なんか本当にいっぱい話したな」


少女「百物語なんてほんとめじゃないくらい話した気がします」


男「確かに。一生ぶんくらい話したな、案外もう百なんて越えてるんじゃないか?」

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