無限ダンジョン×絶対戦姫

都市破壊を狙う者

第1章《闇に潜む破壊者》1節《ギルド》

都市中にある、《スカイドラゴンハンターズギルド》ホーム、（蒼穹の館）。

ここには、LV,９以上の猛者のみが所属している。そのせいか人数は20人と館の広さには到底釣り合わないが、1か月で1層分深くなる無限ダンジョンにも、深層域にまで到達できる。なので神々からも、《特殊クエスト》でしょっちゅう引っ張りだこの有様なのである。

ここの団長を務めるのが、レイナ＝フレイ・リゼッタ。狼人（ウェア・ウルフ）で、LV,はなんと11。

二つ名は【深淵戦女神（アビス・アテナ）】。都市最強にふさわしい実力の持ち主なのだ。

それで、当の団長（レイナ）は、ダンジョン55階でモンスター狩りを終えた後、帰路で19階層に差し掛かったところであった。そこでは、すさまじい音が響いてきた。

「・・・・・これは、階層主？まさか、安全階層（セーフティポイント）のはずなのに？」

急いで18階へ駆け上ると、確かに天井の水晶を派手に壊して《漆黒》の階層主が姿を現していたのだ。

レイナ「まずい、あれはLV,５相当、、このままじゃひどい被害がでるわ、、」

覚悟を決めて、腰に下げた古代級（エンシェントランク）の妖刀【叢雨（むらさめ）】をすらりと抜いて正眼に構える。

その途端、漆黒の階層主（レア・ゴライアス）がレイナの覇気に押されて一瞬だけ後ずさった。

その隙にレイナは【炎系魔法】の詠唱を始める。

【我に与えられし名は炎帝、炎の精霊（イフリート）たちに帝の名において命じる。

この大地に巣くう悪しき者たちを焼き払い、浄化せよ。】【ーファイア・エクスプロージョン】　灼熱の業火が階層主に向かって解き放たれる。

階層主「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ！！！！」　爆散。

後には大量の灰と、漆黒の階層主を動かしていた【魔石（動力源）】、そしてドロップアイテムの【漆黒の硬皮】が残されていた。

さすがLV,11のステータスを持つ戦姫というべきか。炎術系魔法1発でLV,５相当の強さの階層主を倒してしまった。

「地上に戻ったら報告しなければなりませんね、、、異常事態（ありえないはずのこと）ですから」

レイナは地上のギルドホーム《蒼穹の館》へとダンジョンの中を駆けあがっていった。