歌集・通勤電車

斜芭萌葱

一駅目

街並みが影絵のごとく切り取られ平面的に夜は明けていく


朝焼けは線路またいで彼方あちら側雲に塗られる線の内側


曇り空「明けない夜はない」はずと言い聞かせてる朝六時半


朝色に染まる方向確かめて東の向きを車内にて知る


車窓にて切り取る空の色だけを空と眺めて囲まれている

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