銃vs普通の主人公

ちょっと言わせてください。

ヒーロー、カッコいいですよね。

仮面ライダーや、ウルトラマン、キャプテンアメリカやバットマン。

皆さん憧れのヒーローがいるはずです。そして皆さんの書く小説にも、ヒーローがいるはずです。

そのほとんどは主人公ですが、最近気になる点があります。

 まず一つ目は、銃のことです。

「敵の黒服が拳銃を撃つ前に、俺は床を転がり、間一髪で銃弾をかわす。」

カッコいいですね。ハリウッド映画のようなワンシーンです。

でも、一つ言わせてください。

主人公にこのような行動をさせてしまって本当に良いんですか?

軍人や、スパイ、アスリートが主人公の小説ならともかく、『普通の』と言ってしまった主人公がこのような行動をとることはなかなか難しいと思います。

日本人は基本的に銃を持つことができません。

そして、海外(や異世界)が舞台でもない限り、拳銃を持っているのは、一部の公務員を除いて裏社会の人です。

もちろん拳銃を使う訓練もしているでしょう。その訓練された相手から逃げるというのは、熟練した戦闘経験をもつ者でなければ、ほぼ不可能でしょう。

一発目をかわされたとしても、二発目を外したり、挙げ句の果てに反撃されるのは余程のマヌケです。

だって、『普通の』主人公ですよ。

じゃあ、この文書を読んでいる人、今すぐ転がって回避行動をして!

って言われても、転がるってまずどうやって?ってなりませんか?

僕は前転、後転(苦手だけど)くらいしかできません。

後転で銃弾を回避するのはほぼ無理ですし、前転でもたいして距離出ません。

ジャニーズみたいにバック転でも出来ればカッコいいですが、銃弾をバック転で回避するのは余裕ありすぎでしょ!って思います。

小説を書くときは読み手が感情移入できる範囲の身体能力の方がいいはずです。



もう一つ言わせて貰えれば、

「○○の銃弾が俺の肩を貫いた、激痛で倒れそうになるが、なんとか耐えて走り続ける。」

無理でしょ。

確かに日本人の僕らには銃の痛みはわかりません。

外国人でも撃たれでもしなければ痛みはわからないと思います。

でも、想像して見てください。

シャーペンの先の部分が、音より早く貫通するんですよ。

衝撃も相まって、絶対に普通の主人公じゃ耐えられません。

FPS基準で考えると、あとで手厳しいツッコミを食らってしまいます。

特に、ヒロインから暴力を食らって痛がってる主人公が銃弾に耐えるのはいくらなんでも矛盾してます。


ここまで批判ばっかりになってしまいました。

でも僕はヒーローが活躍するのは好きですよ。

とある魔術の禁書目録も、上条強すぎだろ~とか言いながら楽しく読んでいます。よく言われる熱膨張のシーンも、中学生の時は何の疑問も持たず、カッコいいと思っていました。

良いんです。そんな細かいことを気にさせないぐらいの勢いで書けば。

つっこむのは、アンチか斜に構える大人たちです。

対象年齢の中高生の朝読書として読んで貰えれば万々歳です。

でも、全年齢から愛される寿命の長い作品になるには、細かい所も矛盾が無いようにしたいですね。


こんなこと書いてますが、「お前は偉そうに言ってるけど、何もしてないじゃん」と言われれば返す言葉もありません。

でも野球評論家が野球上手いかと言われればそうでない方も多いのと一緒です。


僕の目標は口だけ評論家にならないことです。


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