月光

滴り落ちる光、溶け出す月。


月の光は、とろりと、私を包んだ。


空から渡ってくる少女。


空から私を呼んでいる。


いつかどこかで、出会った少女。


真っ黒な髪は月光に照らされつやつやと輝く。


綺麗な黒目には優しい光が宿る。


私はただただ、見惚れるしかなかった。




月がすっかり溶けきったとき


大地は穏やかな光を帯びた


そして、少女は私の前に降り立った。


懐かしい、少女。


いつかどこかで出会った少女。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る