第30話 新な敵
アラモとの戦いに勝ったが、活動時間が1分程しか残ってなくて少し焦ったが、取りあえず無事に無力化出来たのでよしとする。
王都の人達から見えないようにレイドから降り立つ、レイドを自動操作で元の岩影に帰還させて、今の限界保持出来るところまでチャージさせておく。
今両手を幼女の手を握って王都に向かって歩いている。
「お兄さま」
「なんだ?」
「ごめんなさい、呼んでみたくて」
エリザは王都の混乱時からお兄さまと呼んでいる、意味合いが変わるわけではないので放置しているが、しかしこの2人の幼女がトワを見る目がなにか前とは違う、例えるならば熱に浮かされたような目をしている。
「具合は大丈夫か二人とも?」
レイドに乗せて戦闘状況を体験したのだから精神的に支障があるかもしれない、肉体はニーナのスキャニングで異常なしと判断してある。
「い、いえ、大丈夫です」
エリザは顔を赤くして俯く。
「うん、大丈夫だよお兄ちゃん」
にこやかな笑顔で握った手に力をいれてくる。
しばらく歩いて王都に着くとアラモのディザスター不発時の余波とレイドとの接近戦で城下町に少なからず被害が出ていた。
「姫様ーー」
鎧を纏った集団が走ってこちらに向かって来る。
「リビエス、心配をお掛けしましたが私は大丈夫です」
中には教会騎士のサクラも混じっていたので話を聞くためにアリアナとエリザをおんぶに抱っこから降ろす。
歩き慣れていないエリザを背負うとアリアナも歩きたくないと騒ぎ出すので抱っこすると、今度はエリザが抱っこしてほしいと言う、妥協案で交代で入れ替わりした。
「ふう、疲れた」
「お兄さま」「お兄ちゃん」
2人にポコポコ叩かれる、いや戦闘後に2時間歩いた事が疲れたと言ったのだが、幼女2人には別の意味合いで取ったらしい?
「サクラ、司祭の監視でなにが有った?」
司祭が2人を連れ歩いている事が疑問点だったのでサクラに聞く。
「こちらの不手際です、一般人の中にも有明の翼のメンバー、いや元有明の翼が紛れ込んでいて、エリザ様を人質にそれでアリアナ様が行くことでエリザ様を解放すると」
「なあ、元ってどういう意味だ?」
「ええ、元と言うのは有明の翼から新しく分離して作られた組織で闇の巨人を崇拝する組織らしいの」
「らしい?」
「今回の騒動で捕まえた組織の者は全員毒物を煽り死亡したから有益な情報が取れてないの」
「司祭は捕縛しておいたがどうなった?」
「縄で縛られた状態のまま幾度も刺され死亡していたわ」
「すまん、縛ったのは自分だ、巨人から逃げるのに司祭は足手まといだったから」
「いえ、いい判断よそれより」
サクラが耳元まで顔を近付いてくると髪からいい匂いがする、回りはざわめき幼女達はまたポコポコを始めたが、サクラは構わずに耳元で囁く。
「あのロボットあなたの!?」
「ああ、そうだ」
教会騎士にアリアナを、王国騎士にはエリザを任せる、サクラから状況調査した結果を聞くと、反抗組織のメンバー意外に死傷者無く、避難の際に負傷した人意外は皆無事を確認していると報告された。
「さて、今日は帰るか」
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