第25話 秘密
「トワさん貴方、この星いえ、この世界の人間では無いでしょ?」
サクラが突然、トワの秘密の核心を突くが半分の意味が分からなった世界が違う?
「何をいっている?」
「ユーラさんからトワさんについて色々話を聞かせて貰いましたがトワさん」
一呼吸を置いてからサクラゆっくりと話し出す。
「光の勇者と闇の巨人の童話って知ってますか?」
「ああ」
「それはエリザ王女の部屋で始めて知ったと聞きましたが間違いないですか?」
「ああ」
「トワさん、あの童話は本当は実話から作られているのです、この大陸の生まれであればあの童話を知らない事はこの世界の人間ではない証明です」
「そういう人間もいるだろう」
「確かにいないとは言えませんがもうひとつ、トワさん貴方が持っているナイフや着ている服はこの世界の素材に似てますが、精巧さや強度はこの世界では作れ無いですよね」
「!?」
心配性のニーナが全力で作った装備品は見る人から見たら分かるのか、腰のナイフに手を伸ばしなからバレたサクラの次の行動に目を見張る。
「それで自分がこの世界の人間じゃ無かったらどうするんだ?」
サクラの出方を見つつ腰のナイフに手をやる。
「何もしませんよ、それより話を聞きたいのです、今日本がどうなっているのかを」
「日本?」
(「ニーナ、日本ってなんだ?」)
(【日本とは地球上に存在した国家の名称です】)
(ああ、あの高級惑星か)
「すまないが日本には行ったときがない」
「やはり、トワさんって外国の人でした」
「いや、外国では無く外星だ、地球なんて高級惑星は、金持ちの旅行者が行く場所だ」
「え、外星、高級惑星?えっと、トワさん貴方って何ですか?」
トワは少し考えて、この状況で現地の情報を持っている、此方の内情を理解出来る味方を作れるかと考えて、トワは自分の情報を少し話す事にする。
「惑星連合軍の部隊長をしてる」
「え、えー、その年齢で部隊長?惑星連合軍?私の知ってる2XXX年は宇宙に手が届いたくらいですけど、トワさん妄想?」
(「ニーナ、その年号はどうなんだ?」)
(【サクラが言った年代は惑星連合発足前に使用していた年号ですね、マスター】)
ニーナの説明を受ける、要約すると自分の時代より、かなり昔にサクラの時代があり何らかの原因でタイムトリップが生じて、未来の自分と過去のサクラが、次元の違うこの世界にいるらしい事をサクラに説明する。
初めは妄想かと、疑われてたがトワが携帯している道具をサクラに使ってみせる事で、ようやく納得してもらえた。
「なるほど、トワさんは未来人なんですね」
「そういう事らしいな、サクラはどうやってこの世界に来た?」
サクラの時代で単独次元渡航の技術は無いはずだか確認をする。
「私は来たと表現とは少し違いますね、私の秘密を話するなら、私は転生者なのです、あちらの世界で死んでこちらの世界で生まれたのが正しいですね」
世界を精神だけ越えるなら科学技術は関係ないとサクラは言った。
「それでトワさんはこの世界で何をしようとしているのですか?」
「この世界に来たときに乗っていた機体が損傷を受けた、それを修理する機材が入ったコンテナを探している、後は機密事項だ」
「分かりました、必要以上は聞かないけどコンテナのある場合は分かるの?」
「ああ、ようやく一つ、場所が解った、確か名前は残花の祠というダンジョンにあるらしい」
「残花って!?高難易度のダンジョンじゃあないですか」
「そうなのか?」
「知らなかったですか‼この世界で幾つかの高難易度もしくは攻略不可能と判断されるダンジョンがありますがその中でも6大ダンジョンのひとつが残花の祠なのです」
「そうなのか?、何の道コンテナは任務に必要な物だ、行ってからどうにかするしかない、それよりも自分がこの世界の人間ではない事は他言無用でお願いしたい」
「大丈夫です、私も転生者の事は誰にも言ってないので、そうですね、この事は私達の秘密で」
いたずらした様な顔でサクラが笑う。
「ああ、それにしてもサクラも笑えるだな」
何時も仏頂面だったので笑顔になるとずいぶんと印象が変わるな。
「私をなんだと思っているんですか」
「いや、無表情の時が多いから笑った顔が可愛いと思っただけだ」
サクラは急に黙ってしまった。
「おい、サクラ?」
「なんですか?」
また無表情に戻り何事も無かったかのように振る舞うサクラ。
「何か分からない事が有ればサクラに聞きに行くよ」
「はい、同じ世界の人間として頼ってください」
こうしてトワとサクラは秘密の共有する間柄になった。
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