第5回 3/7 風邪
秋が深まるこの頃に
風邪をひいてしまったみたい
じゃあ、早く帰らなきゃね
そういって君は僕の手をひいて
こんな時間に帰るのって久しぶりだね
君ははす向かいに座って携帯に向かってる
僕を意識してか、口の端が笑ってる
それも不思議と嫌じゃなかった
風邪をひいて 声も枯れて
何かが終わったような気がして
それでも、なにも変わらなかったことを安心してる
ねぇ、おやつの時間にしよ
買ってきた、このアイス。栗を使った新作らしい。
とても美味しいんだけど、君にあげられないね
風邪うつしちゃうかもしれないから
いつもは二人で半分に分け合う みたらしだんご
今日はどっちが食べるのか
ジャンケンで決めようよ
これも悪くないな
夕暮れのオレンジが綺麗
二本目のだんごを、たべる君をみてる
僕は一本だけだったけど、
これも悪くないな。
風邪をひいて 咳も出て、
何かがあふれたような、そんな感じ
それでも、なにも抜け落ちなかったことに安心してる
君がひいたら、僕ががんばってきみの代わりに家事をするよ
って君に言ったら、君は微笑みながら
そのまえにちゃんと風邪治してね
優しく頬を叩かれた
君には悪いかもしれないけど、
これが続くのも悪くないかもな
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