第2話 死後の世界?

声が聞こえてきた。


「…の…を…して…か?」


おかしいな、死んだはずなのに。


「再…か?…は…かか…思表…」


なんでもいい。なんでもいいから放っておいてくれ。

そう思ったはずなのに声がハッキリ聞こえてきた。


「意思表示があったため、転生の準備を致します。

あなたが死亡するまでの年数をSP《スキルポイント》として

ユニークスキルを覚えられますがどうなさいますか?」


会話が成り立ってない、それに何かおかしいぞ。

ユニークスキルってなんだ?


「ユニークスキルとは経験などで得られない特殊能力となっています。」


よくわからんから勝手にしてくれ…


「了解致しました。ランダムで設定させていただきます。

では、あなたに幸せが訪れますように。」


嫌味か?というか浮遊感に襲われて…!

何だ!?一体どうなってる!




「痛ェ!」

全身を叩きつけたような痛みが走った。

「~~~~っ!何なんだ…よ…?」

叩きつけた"ような"ではなかったらしい。

それは洞窟?だった。

周りは硬い石だらけの


《何者だ!!!》


状況を確認してる最中に尋常じゃなくでかい声が聞こえてきた。

体も周りも全て震えていた。

そして


《何者かと問うている!!!》


喋りながらドラゴンが出てきた。


夢か?いや酷い体の痛みが現実だと実感させる。

《我が領域に転移魔法で侵入するとは、どのような猛者かと思いきや雑魚とはな。》

"領域?魔法?何言ってるんだ?"

"我がとか格好つけちゃってまぁ、というか喋るなよ。"

頭は冷静なのか混乱してるのかよく分からないことを考えていた。


《まぁいい…死ね。》


その声が聞こえたと同時、巨大な足が俺を踏み潰した。



  スキル【祝福】発動



―――――生きてる?

いや、そもそも死んだはずじゃ?夢か?

夢なら目の前でドラゴンが変な音を立てて消えかけている理由も分かるんだが。


《小僧!…キサ…もの》


その言葉を発した瞬間に跡形もなく掻き消えた。



落ち着け、状況の整理をしよう。

まず俺は兄貴を助けようとしてナイフかなんかで刺された。

それから多分、死んだ…はずだ。

そう死んだんだ。

なのに変な声が聞こえてきてゴチャゴチャと言ってここに…

「ここはどこだ?」

少し前も考えたが、ここは洞窟?だと思うんだが、どこの?どうしてここに?

「それにさっきのは」

ドラゴンだった。踏み潰された。死んだと思ったらドラゴンが消滅した。


とにかく分からない事だらけだ。

俺は日に2回も死んだのか?死んでるのに生きてる理由は?

体の痛みもなくなっている。

「…とりあえずここを離れよう。」

そう考えて歩き始めようとしたが


キ…キィ…


甲高い音が


キキキ…キィキィ…


近づいてきた


キキキキィーキキィキッキ


1m近いコウモリが2匹ほど襲い掛かってきた。


「うわぁ!」

さっきは頭が上手く回らなくて落ち着いていたが今は逆だ!

一度考え事をしたせいで目の前の出来事を認識してしまっている!

逃げようとしたが、後ろは壁、前の通路は飛んできたコウモリが塞いでる!

「「キキィ!」」

「来るな!」

2匹同時に襲い掛かられてパニックになった俺は腕を振り回した。


それがコウモリを掠めた瞬間、パン!という破裂音とともに粉々に砕け散った。

そのままの勢いで壁を叩いてしまったら、ドン!という音とともに

クレーターのような跡ができた。


「え?…何だよ…夢じゃねぇのか?何が起こってるんだよ!?

俺は一体どうなったってんだ!!誰か教えてくれよ!!」


そう叫んだ瞬間

目の前に変な画面が現れた。

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