水滴ダンス

 朝の寝ぼけまなこの雰囲気に

 ゆっくりゆっくり降りかかる

 魔法のように染み渡る

 

 何か聞こえると思ったらカエルたちの歌だった

 やさしいやさしい雨音は聞こえないほど静かです


 ちっちゃなちっちゃな女の子

 のんびりカタツムリと朝の挨拶

 にじりにじりと歩みます

 遠い昔の海での記憶を思い出すみたいに


 赤い花 青い花 色は違うけど同じ花

 気が付けばそこらじゅう紫陽花の森

 これほど雨に似合う花はないね

 今朝もまた湿った景色に馴染んでる


 ちっちゃなちっちゃな女の子

 ちっちゃなちっちゃな水たまりを眺めます

 ひっきりなしに波紋が咲いて

 いつまでたっても飽きなくて


 風が吹くと冷たくて

 また水たまりを車がはねていく

 長靴たちは今日も元気にはしゃぎます


 何かおかしいと思ったら買い置きのパンがカビていた

 やさしい布団の誘惑に起きる時間も忘れそう

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る