第49話 私の性癖

私はSかMかどちらかと問われれば

「S」であると答える。


先日、ある友人(男性)から更に突っ込んだ質問を受けた。

その友達は私がSだと答えることを知っていた。

私が実際にどちらであるかは知らないが、私自身が「私がMなのはあり得ないな」と言った事があるからだ。


その突っ込んだ質問というのは

私がSならば、どんなM男に萌えるのか?

というものだ。


これでも私は人妻なのだ。聞いてどうしようというのか。

そう思ったが聞かれたので素直に答えることにした。


友人は色々な例を出してきた。

けれど、どれにも萌えない。


もしかして私は自分ではSだと思っているが実はMだったのか?と

不安になってしまったぐらい、友人からの例えには萌えなかった。

それどころか、キモイとすら思った。


それが友人の趣向だったら悪いので「キモイ」とまでは言えず

「うーん、どれも私にはピンとこないなぁ」

と答えていた。


ちなみに友人からの例えは、いかにもの女王様とM男さんとの

おあづけとおしおきプレイがほとんどだった。


私の萌えるSプレイってどんなのだろう?

それが分からないまま数週間が過ぎた。


そんな中、私はホイチョイムービー三部作の一つ、某スキューバーダイビングをする、彼女が水着に○○という、あの映画を観たのだ。


その映画には織田裕二さんが出ていた。

そしてそのお父さん役で谷啓さんが出ていた。


そして私は思ったのだ「谷啓さん萌え~」と。


織田さんには悪いがまったく興味を惹かれなかった。

なのに谷啓さんには、きゅんきゅんなのだ。


どこが、というと

「頼りがいのある、おじさま風」なところが、なのだ。

この映画での谷啓さんは、なんだか頼もしかったのだ。


この時に気がついた。

私が萌えるS的シチュエーションは普段頼りがいのあるおじさまが、私にだけは甘えてくる、それを私がお母さんのように包みながら、赤ちゃんプレイのようにしていじめるというものだと。


それが分かり、「ああ良かった、私はやっぱりMじゃなかったんだ」

と何か意味分からない安心の仕方をしたのだった。

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