第10話 何故殴ったのか?
『おもいでぽろぽろ』を観るたびに思う。タエコを殴ったお父さん、何故殴ったのか。そして、何故ヤエコは叱られないのか。
いつもお下がりのタエコ。
どうせお下がりしかもらえないなら、早くヤエコのエナメルのバッグがほしいと思う。
けれど、一番上の姉のナナコがヤエコに
「あんな子どもっぽいバッグ(エナメルのバッグのこと)タエコにあげちゃえばいいのに」
と言うと、それを聞いていたタエコは
「あんな子どもっぽい=タエコ(自分)」
というところに傷ついたのだろう、強がっていらないと言ってしまう。
一連の話、お父さんは知っているはずなのに「いらない」と強がったタエコの気持ちをくまないところに毎回、私は不満を覚える。
いい大人だって、何かしらのプライドが傷ついて強がって本心と違う事を言ってしまうこともある。
タエコはまだ小学5年生なのだ。
そんな子どもに、強がったことに責任を負わせそのためにボロボロになって、最後には裸足で外に出た事の辛さは何故分かってやらないのだろうかと。
それどころか、「裸足で」などと、言いながら軽くだろうと娘を殴る父。
意味分からん。
しかも映画上はお咎め無しのヤエコが、とても腹立たしい。
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