11について

 写真は破り捨て、画像も消去。

 撮り溜めた想い出は、水の泡へ。

 留めようとする、すべての記憶を彼方へ送る。

 今を、今日を、撮ることについて


 僕が語れるのは、それくらいだ。

 独りの人生について、ショートショートのストーリーで

 展開させるのには、十分すぎる。

 儚い記憶が胸にあるのなら、それはメロディに過ぎない。

 追手に十分な時間。


 独りの人など、幻で

 どこの骨かもしれぬ

 「知らない」のだ

 確かさなどなく

 触れる手は歪んでいる

 誤解を招く人生だった

 撮り溜めた想い出について


11について

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