第7話 不快感、翌日。不良というよりも再起動

やさしさに包まれて横たわっていたのも束の間、ふと内から湧き上がってくる奇妙な異変に気が付き、すぐさまエマージェンシールームに駆け込んだ。この部屋のなかには必要最小限の施設しか整っていない。逆だ。ここにさえいれば、常に最悪の事態をやり過ごすことができるのだ。とはいえ、それもほんの僅かな時間、だけではある。


マップ上に表示された水源を確認すると、シャトルはそこに向けてブーストをかけていることが判明した。着水を試みているようである。ただし、まだマップにはシャトルは表示されていない。高度はまだ、かなりあるようだ。


途端!バーストが起こった。シャトルの残骸がマップにノイズとして認識され、まるでモザイクのように、画面に揺さぶりをかけている。私の感じた異変の正体はこれであった。しばらくマップはその役割を爆発したシャトルに奪われ、私は茫然としてそれを眺めていた。


まだ、まだまだ、だ。まだ何かあるな...。これは気付きではなく、事実である。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る