第12話 うちでの小槌は死出の大槌

一寸法師は娘を助けるために、果敢に鬼と戦いました。

やがて……


鬼「体の中でまで暴れるとは! 降参だ!」

一寸法師「娘さん、無事かい?」

娘「ありがとう、お礼に願いがかなううちでの小槌で、あなたの願いをかなえてあげる」

一寸法師「おお、それはありがたい。娘さん、僕は大きくなりたい」

娘「かしこまりました、では……」


娘が、手にした小さなうちでの小槌を振り下ろします。


ブン! …プチッ。


すると、一寸法師は振り下ろされた小槌の餌食に。


鬼「あっ」

娘「あっ」


鬼と娘の間に、気まずい沈黙が流れます。

なんとか空気を変えようと、鬼がしどろもどろに口を開きました。


鬼「……娘ちゃん、あのさ、輪廻転生って信じる方?」

娘「信じたい、ですわね」


こうして、秘密を共有した鬼と娘さんは恋に落ち、末永く幸せに暮らしました。

めでたしめでたし。

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