森のみんな

 魔物の群れが森に迫っているという噂は、守り手である少女の耳にも入っていた。


 このままでは大切な森が邪悪な魔物に蹂躙されてしまう。だが、彼女ひとりではどうすることもできない。

 少女は目を閉じ、強い祈りを捧げた。


「お願い……。森のみんな……。魔物が来るの……。力を貸して……。森のみんな……!」


 すると、あちこちから生き物たちが集まってきた。

 少女はそっと目をあけて、自分の身もかえりみずに来てくれた仲間たちを見た。



 リス、ダンゴムシ、ウサギ、ダンゴムシ、ダンゴムシ、テントウムシ、ダンゴムシ、ミミズ——



「ザコばっかじゃねーか! 虎来いよ虎!」

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